大学院
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カリキュラム

前期課程
後期課程

文化と地域

地域文化史

指導教員:教授 濱田 宣

地域の寺院や仏堂等に伝わる仏教美術-仏像・仏画-の悉皆調査による記録保存は、地域文化史を解明する上でその一助となる重要なことであるが、十分に行なわれているとはいえない。そこで本講では、仏教美術の調査記録・分析方法等を学習した上で悉皆調査を実践し、地域文化史研究の観点から仏教美術を考察していく。

都市地域学

指導教員:教授 清水 真一

身近に残る歴史的な都市や地域(集落・町並)を事例として、社会経済的背景と立地環境、都市構造、景観、建築形態を分析する。それを通して、都市や地域の成立過程と今日に至るまでの歴史的な変遷過程を分析する研究方法を学ぶ。さらに、都市・地域における歴史的な資産の保存と活用を通じた地域づくりの方法を身につける。

地域地形学

指導教員:教授 古田 昇

瀬戸内沿岸と日本海および太平洋沿岸における各地に発達する様々な種類・規模の平野をとりあげる。その際、地形環境・地質・堆積環境と形成プロセス、微地形と遺跡立地との関係をミクロに分析し、平野のおいたちと人間活動との関わりを考える。ハザードマップ・ GIS(地理情報システム)演習やフィールドワークも行なう。

言語文化史

指導教員:教授 下田 祐輔

「日本の霊性と文学」をテーマとし、東洋の精神文化をバックボーンとしつつ独自の詩境を拓いていった先人の著作 (例えば良寛自撰詩集『草堂集』)を新たな視座のもとに詳細に読み解く。関連する和漢洋の文献を渉猟しつつ読み込み、それらの中に脈々と息づいている人間の心の神髄について探究を深めてしいく。

言語文化史

指導教員: 教授 近藤 政行

源氏物語と今昔物語集とを資料として、出来事の叙述がどのように行われるのかについて考察する。 当然、助動詞「き」「けり」の問題も扱うことになる。物語や説話の叙述が映画などの映像表現とどのように異なるのかにも言及したい。

地域考古学

指導教員:教授 大久保 徹也

今日、原始・古代社会の分析に限らず歴史研究のより広い領域で考古学研究が効力を発揮している。ただし考古学研究の成果を有効に 活用するためには資料の特性とそれに 応じた分析方法を熟知するこ とが必要となる。本講ではこの観点から具体的な研究事例を参照しつつ、 実践的な考古学研究法を検討・考察する。

地域史

指導教員: 教授 橋詰 茂

中世後期から近世初頭にかけての、瀬戸内海地域における歴史的な地域の歴史的環境や社会構造を検証することにより、瀬戸内海地域の特質を明らかにする。そしてそれ が中央権力体制にどのような影響を及ぼしたかを追求するとともに、地域からの視点で中央史のあり方を考察する。そのために現地調査を実施し、歴史的史料の発掘と保 存・活用の方法論を学ぶ。

言語情報論

指導教員:教授 生田 和重

いかにすれば自分の考えを他人に分かりやすく伝えられるかは、言語が発祥して以来、脈々と引き継がれてきた命題である。これに答えるため、言語情報の処理メカニズムに関する多くの研究が行われている。これらの研究を参考にしつつ、人間の言語情報処理について学習するとともに、言語を統計的に分析する手法を身につける。

比較文化

指導教員:教授 井田 琇穂

14世紀の英詩人Geoffrey Chaucerの作品(『カンタベリ物語』)と日本の『今昔物語』との比較により、日英文化の類似点と相違点とを考察する。授業では、主に14世紀のChaucerの英語を原文で読み、『今昔物語』には簡略に言及する。 Chaucer の英語は16世紀のShakespeareの英語よりも古いが、読解の指導をこの授業で行う。

 

言語・文学と地域

国語学

指導教員:教授 青木 毅

近年の国語学に関する研究論文を批判的に読みながら、その資料・ 方法・成果を検討する。また、実際の文献資料から問題点を見出して調査・研究を行うことにより、国語学の研究方法を学ぶ。これらの講義・演習を通して、論文作成の方法・技術の習得を目指す。

英語学

指導教員:教授 篠田 裕

英語学の文献を批判的に読みながら、その分野の知識を得るとともに問題提起・先行研究の紹介・議論の展開・自説の提示など、論述の仕方を学んでいく。それを通じて、論文の典型的な書き方を修得し、自ら修土論文を書く際の手がかりとする。

日本文学

指導教員:教授 佐々木 亨

『竹取物語』について、古注及び新注を参照しながら精読する。古注においては代表的な存在である『竹取翁物語解』を紐解きつつ、近世期の研究水準を具現化する。加えて、奥津春雄氏の『竹取物語の研究 -達成と変容-』を参照しつつ、研究史についても確認する。研究テーマとしては、作品に描かれている姫の対翁の行動が「孝j と呼ぶに相応しいものであるかについて考究する。

日本文学

指導教員:教授 上田 穗積

日本近代文学における〈私(わたくし)〉の問題を考える。最終的には、志賀直哉のテクストを分析することを目的にしているが、 その課程において、日本近代文学の歴史における〈自己表象〉の問題についても考えていきたい。

日本文学

指導教員: 教授 中山 弘明

明治から大正期の様々な文学言説を、それが書かれた時代に注意しつつ読む。その際特にく戦争>と文学の関係を重視したい。日清・日露戦争、そして第一次大戦などがそれになる。具体的には政治小説、二葉亭四迷から漱石・鴎外、さらには宮沢賢治あたりまで視野に入れたい。 また絵画、写真、映画などもとりあげる。

英文学

指導教員:教授 中島 正太

シェイクスピアから現代まで、英文学の発展に大きな影響を与えた詩や短編を一語一語英文で丁寧に読み、そこから得た自分の考えを英語で書いたり発表したりすることで、研究者としての基礎を固める。またジョイスやイシグロなど,英国出身でない英語作家について考察することで「『英文学』から 『英語文学』へ」という時代の流れを読み解く。

言語学

指導教員: 教授 篠田 裕

人が新規情報に出会ったとき、それをどのようにとらえ、言語にどう表示するかについて,学んでいく。新情報・情報の縄張り・エビデンシャリティ・ミラティビティ・終助詞・ジョークなど、情報の帰属や受け入れにかかわると思われる言語現象を幅広く取り上げ、考察したい。

 

文化と地域

地域考古学

指導教員:教授 大久保 徹也

原始・古代社会の分析に限らず、より広い歴史学研究の領域で考古学という分析・研究手法を有効に用いるには資料の特性を踏まえた 分析方法を熟知することが求められる。また社会分析の導きとなる歴史理論に対する深い理解も同時に必要である。ここでは弥生・ 古墳時代社会の分析研究を事例に、考古資料の評価からそれを前提とした社会分析の方法を考察する。

都市地域学

指導教員:教授 清水 真一

歴史的な都市や地域(集落・町並)の成立から今日までの変遷過程を、社会経済的背景を踏まえながら都市の形態的分析を通じて らかにする分析方法を考察する。さらに、都市や地域における歴史的な資産の保存と活用を通じた地域づくりの方法を考究する。

環境歴史学

指導教員:教授 古田 昇

瀬戸内沿岸と日本海および太平洋沿岸における各地に発達する様々な種類・規模の平野をとりあげる。その際、地形環境・地質・堆積環境と形成プロセス、微地形と遺跡立地との関係をミクロに分析し、平野のおいたちと人間活動との関わりを考える。ハザードマップ・ GIS(地理情報システム)演習やフィールドワークも行う。

 

言語・文学と地域

英語学

指導教員:教授 篠田 裕

ユーモアの不一致理論に蒸づき、ジョークを分析する。ユーモアの3大理論から始めて、不一致とは何か、ジョークの構造、その他の言語現象と不一致との関係、などについて考察していく。

英文学

指導教員:教授 井田 琇穂

14世紀の英国の詩人 Geoffrey Chaucerと16世紀の劇作家 William Shakespeareの文学作品を読み、時代背景、文学形式と内容、語学上の留意点について考察する。古い英語を読解する方法を指導したり、二人の文学作品とその原点との比較を行う。

日本文学

指導教員:教授 佐々木 亨

近世期に深化をみた版本の挿絵について具体的にそのープロセスを辿る。八文字屋本における画面分割された挿絵が意味するもの、赤本における複雑な絵解きの手法、仮名垣魯文の滑稽本に見られるジャンル破壊の実態等々を、作品を丁寧に読み解きながら明らかにして、挿絵と本文が持つ相互の緊密性と独立性を考究する。

日本文学

指導教員:教授 中山 弘明

第一次世界大戦期、及び戦間期という枠組みは、従来、日本文学・文化の研究においては等閑に付されて来た。しかし近年のグローパル化の中で、 こうした問題が再考されつつある。本研究では、拙著『第一次大戦の〈影〉 』(新曜社)、『戦間期の『夜明け前 』』(双文社出版)の問題意識を 継続しつつ、そこに島崎藤村の世界戦争との遭遇、及び『夜明け前』の受容を関わらせる。戦争の世紀における日本文学・文化の巨視的・微視的な 検討が課題となる。

言語文化史

指導教員:教授 下田 祐輔

良寛の詩歌に関する研究において、文献学的研究、同時代の文学思潮乃至地方文化との関係の解明、また、例えば思索者の詩という観点からの時代横断的な検討等、多くの課題がある。就中,丹念に織り成された自撰詩集『草堂集』や『ふるさと』等の自撰歌集稿をそれ自体一個の作品として精究し、その神髄を明らかにすることは、文学史的な評価・位置づけにも不可欠な根幹的研究課題の一つである。良の文業を特徴付ける、思想と言語芸術の両面、また和撲の両面を常に視野に入れながらその特質に迫っていく。

言語文化史

指導教員:教授 青木 毅

ことばはなぜ変化するのか。それは、ことば自体に内在する要因とことばを取り巻く社会的・文化的な要因とに基づくと考えられる。本講座では、具体的なことぱ(日本語)を取り上げて、歴史的な変化(変遷)の実態とその要因とを文献史料に基づいて明らかにする。