公開日 2025年04月07日
病態分子薬理学研究室の論文「亜鉛トランスポーターZIP13は筋サテライト細胞の恒常性制御に必要である」が、Springer NatureのScientific Reports誌に掲載されました。
本論文では、ZIP13を可視化できる遺伝子改変マウス(Zip13-EGFP-KIマウス)を作成して解析することにより、ZIP13が筋サテライト細胞に発現すること、ZIP13の発現量が筋サテライト細胞の分化状態によって変動すること、筋サテライト細胞の恒常性維持にZIP13が必要であることを発表しております。
ZIP13の欠損は、筋力低下を呈するヒト疾患(脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群)の原因となりますが、亜鉛がどのように骨格筋の分化や維持に関与しているのかについては、まだ十分に解明されていません。本研究で開発されたZip13-EGFP-KIマウスは、骨格筋におけるZIP13と亜鉛の役割解明に貢献すると考えられます。
書誌情報:
E. Yoshigai, T. Hara, M. Hashimoto, H. Tsuzuki, T. Abe, K. Inoue, A. Noguchi, T. Ohashi, T. Fukada
ZIP13 marks muscle satellite cells and contributes to their quiescent and active phase balance
Scientific Reports 15: 9206, 2025
DOI: 10.1038/s41598-025-92501-y