2017年1月31日(火) 平成28年度FD委員会[法規・制度・倫理分野]を開催しました。

2017/02/06

FD委員会[法規・制度・倫理]

平成29年1月31日(火)にFD委員会[法規・制度・倫理分野]を徳島文理大学薬学部にて開催しました。

◆日時:平成29年1月31日(火)10:00~11:00
◆場所:徳島文理大学薬学部
◆出席者(敬称略):
[徳島文理大学薬学部]・・・石田志朗
[徳島大学薬学部]・・・・・佐藤陽一
[松山大学薬学部]・・・・・山口巧(Skype経由)

 

議題及び議事:
1)PBL症例・事例に各分野がどのように寄与するか。
PBL症例、事例について現在各校で実施されている実施例について現状を報告したのち、現在行われている授業における法規制度倫理分野での問題点およびこんごのかだいについて 議論した。ここで、法規制度倫理分野では、法規制度領域と倫理領域では授業内容が大きく異なるため、法規制度領域と倫理領域とを区別して議論を行った。

《法規制度領域におけるPBL症例を用いた授業に関する現状》
 法規制度領域に関しては、単独によるPBL症例ということはいずれの大学においても実施していない。しかしながら、薬物治療症例および事例などのPBLにおいて法規制度に関連する内容においては教員が学生に対してコメントするなどの対応により授業に関与している。
 また、法規制度に関する授業は社会保障制度、医療制度、薬価制度などであり、個別の事例等を取り上げたPBL形式の授業には単独で取り上げるのはあまり適していないとの考えであった。

《倫理領域におけるPBL症例・事例を用いた授業に関する現状》
倫理領域についても各校とも何らかの対応をしているが倫理教育を主目的とするのではなく、患者対応、コミュニケーション教育を通じての医療倫理的行動や思考を促すようなことで関与している。
 徳島大学では、早期体験学習の一つとして、医療系の学生(医学部、歯学部、薬学部、栄養学科、保健学科)とともに事例をもちいてのワークショップ形式の授業を実施しており、松山大学では、愛媛大学医学部学生、看護学部学生とともにSGDを実施し、患者対応、関与を通しての医療倫理に関しても考えさせるような授業を取り入れている。

《今後の対応についてのまとめ》
 法規制度領域に関しては、基本的には現状のようなPBL症例、事例への関与をしていくとの考えで一致した。
 また、倫理領域については改訂モデル・コアカリキュラムにおいて6年間の継続的な教育が必要とされている。そのため、早期体験学習等を含めた低学年での教育の実施から始まり、実務実習終了後に5年生もしくは6年生においてPBL症例、事例を実施することが効果的ではないか。加えて、学生の医療倫理感は、実務実習により大きく成長するため、低学年実施時と高学年での実施時に学生の倫理観の成熟度に応じた症例、事例を設定する必要がある(実務実習終了後の6年生や大学院生に実施する場合には、日常業務と臨床研究との関係を題材とするような高度なテーマ作りが必要)。
 また、そもそも徳島大学、徳島文理大学、松山大学のいずれの大学にも倫理学や医療倫理を専門とする教員が不在である。そのため医療倫理に関するPBL形式の授業を6年間通じて実施するには、専門以外の教員が対応する必要がある。改訂コアカリキュラムにあるような6年間の継続的な教育をするという場合には薬学部教員全員がある程度の共通意識を持って対応することが必要となるため、FDによる教員教育も必要となると思われる。