2016年2月16日(火) 平成27年度FD委員会[病態・薬物治療分野]を開催しました。

2016/02/22

FD委員会[病態・薬物治療分野]

平成28年2月16日(火) FD委員会[病態・薬物治療分野]を徳島大学薬学部にて開催しました。

◆日時:平成28年2月16日(火)13:00 ~15:00
◆場所:徳島大学薬学部
◆出席者(敬称略):
[徳島文理大学薬学部]・・・・・市川 勤、井上正久
[徳島文理大学香川薬学部]・・・伊藤康一
[徳島大学薬学部]・・・・・・・滝口祥令
[松山大学薬学部]・・・・・・・酒井郁也

 

【議事内容】
連携四大学の担当者が、病態・薬物治療領域に相当する講義科目の新コア・カリキュラムへの各大学の対応について、資料・スライドを用いて紹介し、課題や問題点について意見交換した。

1.各大学の対応状況
1. 徳島文理大学薬学部では、新コア・カリキュラムの項目分類に準じて、薬理と病態・薬物治療を統合した疾患別の薬物治療学8科目(3、4年次)を設け、各科目は、疾病とその薬物治療に加えて、用いる薬物の薬理作用の内容を含む。ただし、共通する薬理学の基礎は2年次に「基礎薬理学」および「生理学1、2」(部分的)で事前に学習させる。関連科目数は現行の11科目から10科目へと、1科目減となる。その他、関連する科目として、「病態検査学」(2年次)、「東洋医学概論」(4年次)を設けた。さらに、継続性を目指し、5年次にアドバンスト科目、6年次に演習を開講する予定である。

2. 松山大学薬学部では、新コア・カリキュラムに対応したカリキュラムへの全面移行は平成29年度を予定しており、現在その詳細を検討中である。それまでの間は、現行の授業科目の中で、新コア・カリキュラムの内容を取り込んで対応する。

3. 徳島文理大学香川薬学部では、新コア・カリキュラムの疾患別分類の趣旨を尊重し、医療系薬学科目を統合再編した。現行科目の「機能形態学1、2」と「薬理学1~3」の5科目を統合して、「生理学」(1年次)、「基礎薬理学」、「治療薬学1」(2年次)の3科目で薬理学を中心とした基礎学力を習得させる。また、現行の「病態生理学1、2」と「薬物治療1、2」、「臨床生化学」の5科目を統合して、疾患別に「治療薬学2~6」(2、3年次)を設け、薬理等の復習も授業に取り入れ、臨床で役に立つ病態・薬物治療の基礎を習得させる。なお、「治療薬学」でカバーできなかった項目は、「治療薬学演習」(3、4年次)の中で対応する。「治療薬学演習」は症例検討など事前学習と連携して実施することを予定している。「感染症」は近年、大変重要で範囲が全身におよぶことから、「治療薬学」から独立させることを検討している。
授業は基本的にはクオーター制で実施するが、「治療薬学2~6」はセメスター制にて行う。

4. 徳島大学薬学部では、新コカ・カリキュラムの内容に沿って、薬理と薬物治療を統合したカリキュラムに変更する。現行の薬理関連3科目(2、3年次)と薬物治療学4科目(3、4年次)を、薬理の基礎を学ぶ「薬理学」(2年次)と疾患別の「薬物治療学1~6」に再編し、「薬物治療学」の中で病態とその薬物治療に加えて、用いる薬物の薬理作用を学ぶ。疾患別においては、感染症とがんが今後さらに重要性を増すと考えられることから、1科目ずつを割り振り手厚く対応した。また、早期から学生に医療薬学への興味・意識付を目的に1年次に薬理の基礎(薬の作用)を一部組み入れた「基礎医療薬学」を設けた。アドバンスト科目である現行のPBLによる「症例解析総合演習」(6年次)は、継続して実施する。

2.教育上の課題および問題点
1. 担当教員の問題
疾患別に薬理と病態・薬物治療を統合した「薬物治療学」の担当教員について、複数の教員でそれぞれの専門領域をオムニパスで担当する場合、教員の新たな負担はないが、ともすれば連携が上手くいかず、授業の連続性が損ない、予定通り進まないことが危惧される。一方、一人で担当する場合、専門外を担当するに当たり新たな負担が当初は増すが、授業の進行、完結責任において利点があることから、検討中の松山大学を除く3学部では、一部科目を除いて、一人で担当する教員配置を選択している。どちらの担当教員配置を取るにしても、教員が不足している現状はどこも同じであり、病態・薬物治療を担当する教員の負担は大きい。

2. 関連基礎学力確保の問題
「薬物治療学」の中で、薬理、病態、薬物治療を教えることになるため、時間的制約がある中で授業を進めていくには、学生が関連基礎科目でしっかりと基礎学力を身に着けて授業に臨んでもらうことが、今以上に重要となる。

3. 教科書の問題
「薬物治療学」が疾患別に6科目以上に細分され、加えて薬理学の内容を教えることから、統一した教科書を採用することが、学生にとっても負担が少なく望ましいが、各教員の意向で難しいという意見もあった。

4. 留年生への対応問題
関連授業科目およびその内容が大きく変わることにより、現行カリキュラムの留年生に対して、科目の読替が難しい場合には、個別に別途授業を行う等の対応が必要になる。

3.その他
次回は徳島文理大学が担当して開催することを確認した。

 

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