2016年2月2日(火) 平成27年度FD委員会[薬理分野]を開催しました。

2016/02/15

FD委員会[薬理分野]

平成28年2月2日(火) FD委員会[薬理分野]を徳島大学薬学部にて開催しました。

◆日時:平成28年2月2日(火) 13:30-14:30
◆場所:徳島大学薬学部
◆出席者(敬称略):
[徳島文理大学薬学部]・・・・・赤木正明
[徳島文理大学香川薬学部]・・・得丸博史
[徳島大学薬学部]・・・・・・・土屋浩一郎
[松山大学薬学部]・・・・・・・中島光業

 

1.各大学の改正コアカリへの対応
各大学より、カリキュラムマップを中心とした現状紹介を行った。

・徳島大学薬学部は、カリキュラムマップは作成済みで、基礎医療薬学(1年)→薬理学(2年)→薬物治療学(3,4年)という流れになっている。新コアカリでは、薬理・病態・薬物治療が器官別にまとめられたことに従い、薬理学と薬物治療学の内容を見直した。新シラバスでは、薬物治療の科目を現行の4から6に増やして対応している。

・徳島文理大学薬学部もカリキュラムマップは作成済みで、基礎薬理学(2年)→薬物治療学1,2,3・臨床薬物動態学・臨床調剤学(3年)→薬物治療学4,5,6・薬局学・医薬品創製学・東洋医学概論(4年生) という流れになっている。

・徳島文理大学香川薬学部もカリキュラムマップは作成済みで、基礎薬理学(2年前期)・治療薬学(2年前期)→治療薬学(2年後期)→治療薬学3・4(3年前期)→治療薬学5・6(3年後期)、および治療薬学演習1(3年前期)→治療薬学2(3年後期)→治療薬学演習3(4年前期)という流れ。

・松山大学薬学部も同じくカリキュラムマップは作成済みで、薬理学Ⅰ(2年後期)→薬理学Ⅱ(3年前期)→薬理学Ⅲ(3年後期)、および生化学・薬理学実習(3年前期)→薬理学演習(4年前期)という流れである。

 

2.OBEを基盤とする新コアカリの、各大学の実施状況
・徳島大学薬学部:6年次に演習科目を導入し、PBLを行っている。

・徳島文理大学薬学部:5年生、6年生のアドバンストコースで実施している。

・徳島文理大学香川薬学部:今後、PBLとして導入予定。

・松山大学薬学部:特段の対応は取っていない。

各大学でいくつかの取組を始めつつあるが、最終的な着地点に向けて現在も検討中という感じであった。

 

3.コアカリのスリム化への対応
・徳島大学薬学部:基礎医療薬学1-3、生理学、病理学を廃止し、その内容を薬理学と薬剤学に再編。

・徳島文理大学薬学部:教科のスリム化は、基礎薬理学を残して疾患別・臓器別オムニバスにし、一方、病態検査学を追加した結果、14科目から12科目になった。

・徳島文理大学香川薬学部:科目の統合は、9科目を7科目にし、空いた時間に”らせん型学習対応として”演習を組み込んでいる。

・松山大学薬学部:薬理学と薬物治療学を一人の教員が講義することは、専門外の人が講義を担当するようになり学生のためには良くないのではという懸念がある。

 

4.らせん型カリキュラムへの対応
・徳島大学薬学部:早期体験学習を1年生に導入しているが、2年~4年は積み上げ式が主。5年の実務実習、6年の演習で1年のらせんがつながる状態。

・徳島文理大学薬学部:積み上げ式にはなっているが、らせん型は完成には至っていない。

・徳島文理大学香川薬学部:機能形態学が終わってから薬理学を学習すると、先にやったことを忘れてしまう。そこで同じ教員が教えることで学習効率が上がる。2年前期から4年前期で薬理を終わり、実務現場でその知識を活かし、大学に帰ってから更に振り返るようにしている。

・松山大学薬学部:カリキュラムで作っているが、教員間でらせん型をどう見たら良いのか、教え方が徹底されていないことが問題。
各大学において、らせん型カリキュラムは現時点でも検討途上という意見が多かった。

 

5.その他
 全体を通した話として、薬理学と薬物動態を統合すると全てを一人で授業をしないといけない。理屈(薬理系)と現場(医療系)の橋渡しを一人の教員でやるのは難しい。また、専門外の教員が講義を担当するのが良いのか、新コアカリにおいて模索の状態が続いている。
 薬理と薬物治療が合体した、使える教科書がまだまだ少ないのも、問題であるという意見が出された。

 

FD薬理