メール会議により 平成28年度FD委員会[物理・化学・生物分野]を開催しました。

2017/03/31

FD委員会[物理・化学・生物分野]

 FD委員会[物理・化学・生物分野]をメールにより発表と意見交換を行いました。

◆実施期間:平成29年2月23日(木)~3月24日(金)
◆実施方法:メール会議による発表と意見交換
◆参加者(敬称略):
[徳島文理大学薬学部]・・・・・葛原隆、山本博文
[徳島文理大学香川薬学部]・・・岸本泰司、藤島利江、宮澤宏
[徳島大学薬学部]・・・・・・・田中秀治、吉田昌裕、山﨑尚志
[松山大学薬学部]・・・・・・・岩村樹憲、中村真、奈良敏文,山内行玄

 

今回のFD研修会は「疾患別統合型授業に対する基礎薬学系教員の関わり方」をテーマに、意見交換をおこなった。その結果を以下にまとめる。

 

現時点での各学部の取り組み状況

徳島文理大徳島:3年前期〜4年前期、臨床系教員が主に担当

徳島文理大香川:新カリで検討中、4年次での実施を予定、基礎系も部分的に関与する予定

徳島大:6年前期、臨床系教員が主に担当

松山大:新カリで検討中、4年次での実施を検討、基礎系教員も積極的に関与する予定

 既に疾患別統合授業(以下統合授業)が実施されている学部では、臨床系教員が中心となって授業が組まれていることが多い。この場合、授業の目的は臨床系科目の総まとめの性格が強い。これに対して、新カリで対応を検討している学部では、基礎系教員の関与が検討されており、基礎から応用および臨床までの知識を統合することを目標としている。

基礎(物理・化学・生物)系教員が関与する統合型授業の目的とは何か?

 統合授業の中に基礎系の授業を組み入れることにより、どのようなことが期待されるのかについて考えた。ひとつには、8疾患と関連させて基礎系の科目を学ぶ中で、疾患(あるいは疾患の治療)の背景にある理論的および物質的根拠をより深く理解させることができるのではないだろうか。これによって基礎から臨床を考察する習慣が育まれ、将来、理論的根拠(基礎)に基づいて議論できる人材の育成が可能なのではないだろうか。さらにこれらの授業によって将来、医師・看護師などとは差別化された医療人としての視点を持たせることができるのではないだろうか。

 一方、若干消極的な目的ではあるが、基礎系科目を学ぶ意欲の低い学生に、基礎理論と8疾患と関連づけることによって、基礎系科目を学修する意味(あるいは必然性)を明確に示すことができるのでは無いだろうか。この場合、基礎系科目の内容が無理にとって付けたようなものにならないよう、十分に気をつける必要があるという意見も出された。

基礎系教員が関与する統合型授業の開講時期について 

 統合授業の開講時期は3年から始める学部(徳島文理大)がある一方、6年次に行っている学部(徳島大)があるなど、学部や授業の目的により様々である。基礎系教員が参加する場合、どの時期が良いのかについて考えた。統合授業を行う前に、ある程度の基礎分野の知識を習得しておくことが必要であろう。3年次に統合授業を開講する場合は、学部によっては基礎系授業が一部終了しておらず(リメディアルを含めると、基礎系科目が終了するのは3年修了時)、4年次以降が望ましいのではないだろうか。また、6年次に開講する場合、臨床系科目の総まとめと位置付けられる場合が多いので、基礎系科目を入れられる余地が無いと考えた。以上のことから、4年次に開講することが望ましいであろう(6年制学部の場合)。

 

統合型授業への基礎3分野(生物・化学・物理)の関与の方法

 これまでの統合授業は、一般的に全体的なデザインが臨床系の教員によって作られ、基礎系教員の参加は部分的、補助的なものに留まっていることが多いようである。基礎系教員がより積極的に関与する方法としては、授業の計画段階から基礎系教員が入って議論することが重要だと考えられる。分野別に考えると、生物系の関与は比較的容易で、細胞レベル、臓器・器官レベルの講義を入れることは8疾患全てにおいて可能であると考えられる。これに対して、化学系、物理系は疾患によっては関与が難しいものがあると予想される。

 この場合、最初から授業に参加するよりも、1テーマの枠の中で最初から最後まで参加することによって、基礎系教員が関与可能な問題を発見することが出来るのではないかと考えた。この様にして、数年間かけて少しずつ基礎系教員の関与を増やしていくことが現実的では無いかと考えた。
基礎系教員が関与する統合型授業の授業デザインについて 

 事例課題解決型(PBL)の授業は、これまで統合型授業の一つの雛形として考えられており、その様な授業の実施例についても報告された(徳島文理大)。これらの授業は臨床系教員の主導のもとに行われており、基礎系教員がこれらの授業にどの様に関与していくのかは今後の検討課題である。

 もう一つの提案は、いくつかの分野の教員がそれぞれの疾患に関与する個別授業を行い、最後にそれらの授業で学んだ知識・理解を問うチーム基盤型学修(TBL)を行うという案が示された(松山大)。TBLの問題には個別授業で扱った内容を基礎問題として、それらの知識を統合して回答を導く問題を応用問題として出題することも可能であろう。応用問題を工夫することによって、PBL形式に近づけることも可能かもしれない。