2016年12月20日(火) 講演会「松山大学薬学部 第2回FD研修会」 を開催しました。

2016/12/21

徳島大学薬学部 徳島文理大学薬学部 徳島文理大学香川薬学部 松山大学薬学部

松山大学薬学部 平成28年度 第2回 FD研修会

平成28年度 四国4薬学部合同FD研修会

2016年12月20日午後4時-5時30分 松山大学薬学部 920 教室

共催:文部科学省大学間連携共同教育推進事業「四国の全薬学部の連携・共同による薬学教育改革」

遠隔授業システムを用いて徳島文理大学(薬学部・香川薬学部)、徳島大学薬学部に同時配信

 

講演-1「6年制薬学教育の現状と今後のあり方」

平田 收正先生大阪大学大学院 薬学研究科附属 薬学地域医療教育研究センター

平成25年に薬学教育モデル・コアカリキュラムが改訂され、平成27年度入学生から適用された。この改訂の特徴は、①薬剤師として求められる「基本的な資質」に基づいて学習目標を見直したこと、② 学習成果基盤型教育の考え方を導入すること、③ 改訂したカリキュラムで学んだ学生が社会に出た時(10年後)の薬剤師が必要とする新たな内容を含むこと、にある。6年制教育が始まってから11年が経過し、薬系大学における教育研究の質保証が問われる中、本改訂カリキュラムに沿った6年制薬学教育研究を充実させて質の担保を図るためには、現状の課題を的確に抽出し、組織的、体系的にその改善を進める必要がある。本講演では、薬学教育研究の質担保のために必要な事項について何点か取り上げ、現状の分析と今後のあり方について情報の共有化を図りたい。

 

講演-2「6年制薬学教育における新たな試み – パフォーマンスを評価する」

安原 智久 先生摂南大学薬学部

医療を担う薬剤師には一定の資質が求められるが、国家試験は知識のみの評価であるので国家試験合格は「薬剤師の資質」を担保しない。国は薬剤師国家試験受験資格を6年制薬学部卒業生に限ることで、6年制薬学部の卒業と国家試験合格による「薬剤師の資質」の保証を実現している。それ故、国家から唯一薬剤師養成を認められた6年制薬学部は、社会に対して薬剤師国家試験受験資格を持つ「卒業生の質」を保証しなければならない。特に、国家試験が評価しない、技能、態度、更に統合された遂行能力であるパフォーマンスの評価は、6年制薬学部の社会的責任である。一方、評価は学生の学習行動に大きな影響を与える。適切な評価の存在しない環境では学生の資質の保証は不可能である。本講演では、今後の評価のあるべき姿と、評価がもたらす学生の行動変容を本学の実践例と共に議論したい。