2014年8月24日(日) 講演会「石巻医療圏における東日本大震災への対応と次への備え」を開催しました。

2014/09/01

徳島文理大学薬学部 徳島文理大学香川薬学部 松山大学薬学部

 

東日本大震災における支援の在り方に関する講演会

◆実施:日 平成 26 年  8 月 24 日  (日)14:00~15:30

◆場所:遠隔講義システムを使い、松山大学 9 号館 2 階 920 番教室、
    徳島文理大学薬学部(24202 教室)徳島文理大学香川薬学部(305 教室)同時開催

◆講師:東北大学病院  総合地域医療教育支援部  教授
    宮城県災害医療コーディネーター
    石巻赤十字病院病院長特別補佐
    日本DMAT(統括DMAT)

◆講演:石巻医療圏における東日本大震災への対応と次への備え

◆主催:文部科学省・大学間連携共同教育推進事業
    「四国の全薬学部の連携・共同による薬学教育改革」

◆後援:松山大学、徳島文理大学、愛媛県薬剤師会、愛媛県病院薬剤師会、
    香川県薬剤師会、香川県病院薬剤師会、徳島県薬剤師会、
    徳島県病院薬剤師会、高知県薬剤師会、高知県病院薬剤師会

◆参加人数:松山大学 86 名(下記内訳)
      病院薬剤師(27 名)、愛媛県薬剤師(25 名)、
      松山大学教職員(14 名)、行政職・学生等(20 名)

 

講演に関して
 「災害時に対応できる薬剤師養成」を目的として、東日本大震災発生直後から 7 か月
間にわたり最も被害の大きかった宮城県石巻医療圏において指揮統括をされた石井正
教授(石巻日赤病院医師兼宮城県災害医療コーディネーター)が、当時経験された事
やそこから抽出された問題点への対応について講演された。

 石井正教授は、石巻日赤病院で外科の医師として勤務されていた時、東日本大震災に見
舞われた。当時、日赤において医療社会事業部長であり、宮城県災害医療コーディネーター
でもあったため、石巻医療圏に赴いた約 15,000 人、3,633 の医療チームの統括、行政との折
衝をされた。その経験から、災害時において最も重要なことは、正確な情報収集とそこから得
られた問題点に対して的確な判断を行い、迅速に対応する事であると講演された。また、巨大
災害時には、多くのブレインの助けが必要であり、日ごろから行政職を含めた他職種(医療機
関や医療従事者だけではなく、建設会社や流通関係、さらに NTT ドコモ等の電信・電話関係)
との連携を進めておく事が重要であるとの事であった。

 今後 30 年以内に起こると予測されている東南海・南海地震と津波によって、太平洋に面し
た高知県をはじめとする四国4県には甚大な被害が懸念されている。そのため、医師を始めと
する医療スタッフは、災害時に対応できる体制を整える必要に迫られている。

 一方、薬学教育における災害時に関する教育は、十分であったとは言い難いため、災害時
に対応できる薬剤師教育、薬学部教育は喫緊の課題である。今回の講演会により、県薬剤師
会や県病院薬剤師会の薬剤師、さらに行政職の職員やボランティアに参加した学生が、
災害時における医療機関や行政との連携の必要性について再認識し、災害時における
共通した知識を得る事や、薬学部における災害時に対応できるための教育の重要性に
関して意識が向上したと思われる。

 

4講演会チラシ(最終版)