2016年7月13日(水) 講演会「松山大学薬学部 第1回FD研修会」 を開催しました。

2016/07/14

徳島大学薬学部 徳島文理大学薬学部 徳島文理大学香川薬学部 松山大学薬学部

松山大学薬学部FD研修会

2016年7月13日(水)午後4時-5時30分 松山大学薬学部2階920 教室
共催:文部科学省大学間連携共同教育推進事業
「四国の全薬学部の連携・共同による薬学教育改革」
遠隔授業システムを用いて徳島文理大学(薬学部・香川薬学部)、徳島大学薬学部に同時配信
医薬品適正使用のための医療コミュニケーション教育の重要性
佐藤 嗣道 先生
東京理科大学 薬学部 医薬品情報学研究室 講師

 

【講演要旨】

医薬品の安全性は、副作用のより少ない化学物質を医薬品として開発することに加えて、医薬品のリスクに関する情報が適切に収集・評価・伝達され、医薬品が適正に使用されることによって確保される。サリドマイド事件をはじめとする薬禍の教訓から、世界各国で後者の重要性が認識され、最近はファーマコビジランス(pharmacovigilance)の概念にもとづく、医薬品のリスク評価とリスク最小化を計画的・系統的に行うサイクルが制度化されている。薬剤師は、ファーマコビジランスにおける医薬品リスク管理のキーパーソンとなることが期待されるが、そのための薬学教育の体系化については未だ十分な議論がなされていない。薬剤師が医薬品リスク管理において役割を果たすためには、薬剤師の資質として挙げられている、患者中心の視点、コミュニケーション能力、チーム医療、総合的な薬物療法の評価と実践能力が求められる。今回は、こうした背景(社会の要請)から薬学教育のアウトカムをどのように設定すべきかを考えるとともに、技術者倫理の観点を踏まえた医療コミュニケーション教育の重要性について考えてみたい。