2014年2月8日(土) 平成25年度FD委員会[物理・化学・生物分野]を開催しました。

2014/02/13

FD委員会[物理・化学・生物分野]

平成25年2月8日(土)にFD委員会[物理・化学・生物分野]を松山大学薬学部にて開催しました。

◆日時:平成25年2月8日(土)13:45~16:40
◆於 :松山大学薬学部会議室
◆出席:[徳島文理大学薬学部] 山本博文(化学)
        [徳島文理大学香川薬学部] 岸本泰司(物理)、藤島利江(化学)、宮澤 宏(生物)
        [徳島大学薬学部] 山崎尚志(生物)、吉田昌裕(化学)
          [松山大学薬学部] 岩村樹憲(化学)、中村 真(生物)、奈良敏文(物理)、
             松岡一郎薬学部長、(敬称略)

物理化学生物

◆会議の要旨
 今回の研修会では、以下の項目に関する各大学の現状報告と意見交換をおこなった。

1)改訂モデル・コアカリキュラム(以下:新コアカリ)への各学部の対応について

 徳島文理大学では、教務委員会の拡大委員会を組織して、新コアカリ対応を検討している。現在、アドバンストの内容を盛り込んだ基礎系科目が複数存在するため、これらを除くと科目数が削減される可能性がある。授業科目の組み直しも含めた新たなカリキュラム案が2月末までにつくられるが、実際に科目数を削減するかどうかは未定である。

 徳島文理大学香川薬学部では、教務委員会で作成された基本方針に基づき、各系毎に新コアカリへの対応の検証をおこなった。その結果、基礎系科目に関しては改訂SBOsが簡略化されており、現行のカリキュラムで対応できるという結論に達した。化学系あるいは生物系で従来担当していたいくつかのSBOについて、新カリでは物理系(生物物理学)で取り扱うなどの変更が一部あった。

 徳島大学では、教務委員会とは別にカリキュラム作成ワーキンググループを組織して、新コアカリ対応を検討している。昨年12月に、新カリ作成の基本方針(現行授業科目のアレンジ+必要に応じた変更、OBEに基づいた螺旋型カリキュラム、アドバンスド科目の設定等)が決定された。新カリキュラムは2014年10月に発表する予定で進行中である。

 松山大学では、教務委員会において、新コアカリへの対応を検討している。松山大学では、薬学部完成年度(2012年度)に、大規模なカリキュラム改訂をおこなっており、現状では2つのカリキュラムが進行中である。基礎系科目の新コアカリのSBOsはいずれもスリム化されており、現行のカリキュラムで十分に対応できると考えている。現在、OBEに基づいた科目の位置づけを、教務委員会で検討している。

2)初年次教育に関する取り組みについて

 徳島大学では入学者に対して、物理と生物の復習テストをおこなっている。このテストの成績と、高校における当該科目の履修の有無との相関は非常に高い(生物を例に)。しかしながら、大学1年終了時にはこの相関は見られなくなるとのこと。

 徳島文理大学香川薬学部では、入学時基礎力診断テストを基礎系科目に関しておこなっている。入学時の成績(物理系の例)は、一年次修了時の物理化学Iの成績と極めて良い相関があり、入学時の学力差が大学1年時次終了時点で解消されていない。現在、1, 2年次に部分的なクォーター制(4学期制)を導入し、週に2回授業をおこなっているとのこと。

 松山大学薬学部では初年次教育の一環として(薬学基礎実習I、II)グループでの能動的な学習方法(SGD、PBL、TBL等)を取り入れた。2年次以降の科目での継続的な能動学習の取り入れが今後の課題である。

3)高校の新学習指導要領への対応について
    新指導要領は、以前のものと比較するとより充実した内容に改訂されているため、大学での特段の対応は必要ないと考えられる(徳島大学、徳島文理大学)。

4)今後の課題(4大学FD研修会の方向性)について
    新コアカリの基本的な考え方である螺旋型カリキュラムに関する意見はいくつか出された。螺旋型を意識して、同じ項目に関する講義を毎年繰り返しても学生の理解はほとんど深まらない(徳島文理大)。一方的な講義では解決策にはならない。演習形式、能動型の学習を積極的に取り入れるべき。
    基礎系科目がそれだけにとどまると、学生の理解は一向に深まらない。むしろ、基礎と薬理、基礎と病理病態との連携(生物系の例)など、統合型学習科目の導入をもっと具体的に探るべき(松山大学)。その意味でも、4大学FD研修会の枠組みを来年度は変更してみてはどうか(例えば、生物系+薬理、物理系+物理薬剤学・製剤学等)。基礎科目間の関連付け(物理から見た化学、生物、生理化学など)も必要と思われる。