公開日 2025年08月08日
令和7年8月6日(水)、アカンサスホール(2号館2階)にて地域と考える防災講座⑦「東日本大震災の教訓から考える、地域と個人の防災力」を開催しました。本学学生のほか、他大学の学生や高校生、防災士の方など、およそ50名にご参加いただきました。
東日本大震災から14年が経ち、あの日の記憶も少しずつ遠くなってきました。だからこそ、今あらためて「備えること」の大切さを考え、南海トラフ巨大地震の発生が心配されている徳島で、一人ひとりが防災への意識を高め、日々の暮らしの中でできることを見つけていく。そんなきっかけになればと思い、この講座を開きました。
【第1部】
講演1:支援者が語る「災害支援」と「地域防災」 川崎克寛氏
一般社団法人Rhizome代表・理事、内閣府地域活性化伝道師の川崎克寛氏からは、東日本大震災での支援活動を通して見えてきた災害の現実についてご講演いただきました。避難所の巡回活動で目にした状況、避難弱者への配慮の重要性、本当に必要とされている支援物資、そして災害時に情報が届かないことの困難さなど、現場での生々しい課題を具体的に語っていただきました。
講演2:被災経験者が語る「あの日」と「その後の暮らし」宮本萌氏



被災経験者の宮本萌氏が語ってくださったのは、東日本大震災当日に学校で被災し、ご家族と4日間も離れ離れになった当時の状況でした。津波に襲われた校舎での孤立した避難生活、実際に食べていたものやトイレ事情といった生活に密着したエピソード、そして「その後」の暮らしや心のケアの重要性についてのお話は、参加者の心に深く刻まれました。
【第2部】
南海トラフ巨大地震への実践的アプローチ
「東日本大震災の教訓を徳島でどう活かすか」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
南海トラフ巨大地震の想定と徳島の地域性を踏まえ、参加者は「もし今、地震が起きたら?」という問いに向き合い、大学生だからこそできる、地域と連携した具体的な防災行動計画を立てました。
グループワークを通して、学生たちからは「大学生だからこそできること」がたくさん出てきました。
専門性を活かした支援活動や、若さとタフさを活かしたボランティア、避難所での子どもたちへのサポート、音楽で心を癒す取り組み、非常食を工夫したレシピの提案など、ユニークで実現可能なアイデアが盛りだくさんでした。
グラフィックレコーダーの清水杏咲氏による視覚的なまとめもあり、多角的な視点から学びを深めることができました。
(9/30まで2号館1階アクティブラウンジにて展示中ですのでぜひこの機会にご覧ください。)
参加者からは、「被災された方の生の声は、想像していた以上の重みがあった」「防災を他人事ではなく、自分ごととして真剣に考えるきっかけになった」「地域コミュニティとの連携強化が大事なことを知った」といった感想が寄せられました。
今回の講演が、皆さま一人ひとりの防災意識を高め、今後の行動へとつながることを願っています。