衛生薬学講座
ヒトの健康(生命)を衛（まも）るためには
どうすればよいのか？を学びます
教授 野地裕美
准教授竹内 一
講師 桐山賀充
研究テーマ
講座の紹介
1. 細胞外pHの酸性化が関節リウマチの炎症応答を調節するしくみ
関節リウマチでは、関節滑膜で著しい血管新生が認められ、滑膜細胞が異常増殖してパンヌスを形成し、関節軟骨が破壊されます。滑膜細胞の異常増殖や炎症による関節腔内の局所的酸性化が関節リウマチの病態形成に及ぼす影響を解析しています。
2. 加熱変敗食用油が免疫応答および腸内環境におよぼす影響の解析
食用油などの油脂類は、加熱により変質しさまざまな副産物を生じます。これらの生成物は毒性を持つものが多く、細胞を傷害したり免疫力を低下させるおそれがあることが示唆されています。我々はこのような油脂の変質により生じる生成物が免疫系や腸内環境に与える影響を解析するとともに、生成物の毒性を軽減する化合物の探索を行っています。
3. 脳内胆汁酸の生理機能に関する研究
脳内の胆汁酸は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患の抑制に働く可能性が示唆されています。脳内での胆汁酸の生理機能を明らかにすることは、これらの疾患の病態の解明に役立つものと考えており、分子レベルの解析を進めています。
業績紹介
- 論文
- 01.Kiriyama Y. and Nochi H. Physiological Role of Bile Acids Modified by the Gut Microbiome. Microorganisms 10 (1):68, (2022)
- 02.Kino, K., Ohshima, T., Takeuchi, H., Kobayashi, T., Kawada, T., Morikawa, M. and Miyazawa, H. Considering Existing Factors That May Cause Radiation Hormesis at ＜100 mSv and Obey the Linear No-Threshold Theory at ≥100 mSv. Challenges 12, 33, (2021)
- 03.Kiriyama Y, Tani A, Kadoya M, Okamoto R, Nochi H.. Induction of PD-L1 by Nitric Oxide via JNK Activation in A172 Glioblastoma Cells. Biol Pharm Bull. 43 (6):1020-1022, (2020)
- 04.Iwashita S, Suzuki T, Kiriyama Y, Dohmae N, Ohoka Y, Song SY, Nakashima K. Overcoming off-targets: assessing Western blot signals for Bcnt/Cfdp1, a tentative component of the chromatin remodeling complex. Biosci Rep. 40 (6): BSR20194012, (2020)
- 05.Kiriyama Y. and Nochi H. The Biosynthesis, Signaling, and Neurological Functions of Bile Acids. Biomolecules.9:6, (2019)
- 06.Kiriyama Y. and Nochi H. Intra- and Intercellular Quality Control Mechanisms of Mitochondria. Cells.7:1, (2018)
