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 我が国の教育の現状には様々な問題があることが社会の多方面から指摘されており、教育の改革・改善は国民の最大の関心事となっている。中でも、初等・中等教育の改善は喫緊の課題となっている。例えば、2003年度のOECDによる15歳生徒の学力調査(PISA2003)で露わになった「学力の低下」問題は、その一例である。これらの問題に対して、平成18年に教育の憲法といわれる、教育基本法が改正され、平成21年度からは新学習指導要領のもとで新しい教育課程が始まり、また、教員の10年ごとの免許更新講習も始まることとなった。このような初等・中等教育現場の改革に対応して、大学における教員養成教育も改革・改善が必要であることは当然である。この度の教育改革は、大幅で急激なものであることから、1大学のみでこれらに対応しようとすれば、質・量・スピードにおいて現在のニーズに十分に対応できない恐れがある。従って、実際に多数の教員を養成している隣接した大学が互いに、また、教育現場や地域の関係者と強く連携して、教員養成教育の改革・改善を図っていく必要がある。

 そこで、本連携事業は、東四国で教員志望者、従って、教員免許取得者の多い、四国学院大学と徳島文理大学(徳島キャンパス及び香川キャンパス)に、小学校教員の養成を始めた高松大学を加えた3大学が連携して、質の高い教員養成教育に取り組もうとするものである。今回連携する3大学は歴史と伝統のある私立大学で、それぞれの建学精神のもと教育を推進している。徳島文理大学は「自立協同」の建学精神のもと、理系・文系にわたる9学部を有する総合大学である。四国学院大学はキリスト教主義教育を建学の精神とし、主として文系の学部を持つ大学である。高松大学は「理論と実践との接点を開拓する大学をつくる」を建学精神として、平成18年に「発達科学部」を開設し、2学部を持つ大学である。3大学は教職課程認定大学(教員養成大学・学部でない)であり、これまでにも、単位互換協定を結ぶなど連携の実績がある。連携する3大学は特色ある教育を推進することにより、教員として高い資質能力を身につけた教員養成を行ってはいるが、大学間で特色を生かしながら相互補完を行い、教員養成の更なる充実に取り組むことが本事業のねらいである。

 平成22年度入学生から、教職課程の中に、新たな必須科目「教職実践演習」が設定された。学生の実践力を高めるため授業計画には実務実習や事例研究などが取り入れられることもあり、学校現場での経験知に裏打ちされた教育指導が必要である。教科に関する科目と教職に関する科目の担当教員、さらに小・中・高等学校教育経験者が、共同して科目の実施について責任を持つ体制づくりが必要であるが、多くの学校や教育委員会との連携も「実践」のリアリティを高めるために必要である。

 また、学生が学校の教員として最小限必要な資質能力を身に付けて卒業するために、教職課程全体を通じたきめ細かい指導・助言・援助を行い、教職指導の充実に努める必要がある。入学時のガイダンスの工夫、履修期間中のアドバイス機能の充実、教育実習の改善、またGPA方式等による厳格な成績評価などが求められている。試験等では測りがたい資質・能力については、学習ポートフォリオを活用した評価の実施が有効である。

 さらに免許更新制については、その時々で求められる教員としての必要な資質能力が保持されるよう、定期的に必要な刷新(リニューアル)を行う講習であるが、連携することにより、各大学の特色を生かしながら、不足する分野は相互補完を行うことができる。また、この講習に関して、地域的な教育課題等を的確に把握し、解決のために役立つプログラムの研究開発を協同で行うことも望まれているところである。

 新学習指導要領が告示され、新たに小学校段階に外国語活動が導入され、平成23年度から完全実施されることになっている。また、教育基本法の改定により、伝統や文化に関する教育の充実等がうたわれている。これらに対応する教員養成プログラムの開発は小学校英語・伝統文化のいずれについても新しい課題である。

 また、地域の教育力の向上も重要な課題である。新しい教育基本法に規定された学校・家庭・地域との連携では、地域課題に対応した教育研究プロジェクトの展開などの地域貢献活動に取り組んでいかなければならない。さらに、高大連携を通じて進学をめざす高校生に各大学のよさに対する理解を深めてもらい、目的意識を明確にした上で志望してもらうことも(教員養成に限らないが)重要である。これらの課題を解決するために、同じ地域にある大学が連携して取り組むことは非常に有効である。

 「開放制の教員養成」は学問分野の専門性と直結した質の高い教員の養成や、戦後の我が国の学校教育の普及・充実、社会の発展等に大きな貢献をしてきた。本取組においては上に挙げたような今日的課題に対し、東四国に拠点を置く教員養成大学・学部でない一般の課程認定大学3校が連携し、新学習指導要領に対応した良質の教員養成プログラムの開発、教員に対する研修の提供、学校現場から寄せられるニーズへの対応や地域での教育課題に対した教員養成について、各大学ならではの「知」を集約することで、そのスケールメリットを活かした教育内容・方法の開発を行う。そして本取組の成果を四国全体、ひいては全国の大学に還元することが必要であると考えている。

 そこで、本取組では香川・徳島の3大学の連携による「教員養成コンソーシアム四国」を設立し、地域の知の拠点として、現代的教育ニーズ・地域的教育ニーズに対応した教員を協同で養成する。各大学にそれぞれ「教員養成カリキュラム委員会」を設置し、共同でモデル・カリキュラムを開発・試行・評価・改善というサイクルを実施、互いに協議を重ね、不断の改革・改善を行う。あわせて各県において教育委員会など地域との連携を図りながら大学間連携を図り、教職課程認定大学における「四国モデル」を創出する。コンソーシアム参加各校は各地域での教育ニーズ収集や情報交換、大学間研究協議会による共同での授業開発や教材開発を行いながら、地域のニーズに対応した教員としての高い資質能力を身に付けた教員養成の推進を図っていくために、教育活動の質保証、個性・特色の明確化に伴う機能別分化の促進と相互補完、大学運営基盤の強化に取り組む。

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